インプラント

インプラント治療は100%安全とは言えない!

歯が抜けてしまったら、入れ歯やブリッジで治さなくてはいけません。
でも入れ歯やブリッジは見た目が悪く他の人に見られたくなかったり、堅いものを食べたときに痛みが生じることがあります。

「歯を元通りにしたい!」と思う人たちに最近人気なのはインプラント治療です。
インプラント治療で復元された歯は元の歯と同じような感覚があると言われ、最近では抜歯後の人気の治療法となりつつあります。

今回は、「インプラント治療の安全性・リスク」についてご紹介します。

インプラント治療とは

抜歯などにより歯を失った場合の処置として「入れ歯」「ブリッジ」を利用することが一般的ですが、「見た目が悪い」「堅いものを食べると痛い」という問題から最近では「インプラント治療」をする人が増えてきました。

歯は表に現れている歯冠・歯ぐき・歯根の3つから出来てきますが、インプラント治療では人工的に作られた歯根(人工歯根:インプラント)を埋め込んで治療します。
インプラント治療により復元された歯は第二の歯とも言われるように、噛む力、耐久性に優れています。見た目も本物の歯と変わりません

インプラント治療は長年研究が重ねられ国際的に完成度の高い治療法として評価されています。
骨としっかりつながるため自分の本来の歯と変わらない感覚で食感や美味しさを感じることができます。
インプラント治療は1本からその症状に合わせて治療することができます。

欠損した歯を放っておくと虫歯・歯周病になりやすい

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虫歯や歯周病の治療において抜歯するという選択はもう他に打つ手がないときにされます。

抜歯されたことでトラブルの元を断てたと思い、「ここの歯が1本なくなったくらいでは問題なし」と思って放置する人もたくさんいます。
しかし1本でも欠損した歯を放置するととても危険です。

歯が欠損した状態で放置すると歯の咬み合わせが悪くなります。
歯は隣り合う歯同士が互いに支え合ってその位置を維持しています。

そのため1本なくなると両側の歯が支えていた力を失い咬み合わせにずれを生じさせます。
咬み合わせが悪くなると噛む力のバランスが悪くなることで筋肉や顎の関節に負担がかかり体に異常を発するようになります。

咬み合わせが悪いとプラーク(歯垢)が着きやすく虫歯や歯周病になりやすくなります。
30歳を過ぎると体の抵抗力が下がるため歯周病にもかかりやすいです。

歯周病になったのちも、咬む力が真っ直ぐかからないため歯もぐらつきやすくなり、歯周ポケットが広がりやすく歯周病が進行しやすい状態になります。

欠損した歯を放っておくと顔が歪み顎が変形する

顔には表情を作る筋肉や咬むときに使う筋肉など色々な筋肉があります。
咬み合わせが悪いと筋肉の使い方が悪くなり、一部の筋肉の厚さが変わってしまい、顔が歪んでいきます

筋肉の下の骨も変化してしまうので、最終的には顎の形が変化してしまいます

顎の形が変形してしまうと顎の関節に過度な負担がかかってしまうため、顎関節症になるリスクも高まります
顎関節症になってしまうと顎が痛んだり口が大きく開かなくなったり等の症状を引き起こします。

重症化すると日常生活がままならないことさえあります。

咬み合わせが悪いまま放置すると顔や顎の形を変えてしまい、頭痛・肩こり・耳鳴りなど顔とつながっているあちこちの場所でも異常が発生してしまいます。

インプラント治療の費用は?

インプラント治療の費用は1本につき30~50万円が一般的です。
ただし患者数の多い首都圏や都市部の場合は35~70万円と治療費がやや高めに設定されています。

まず精密検査と診断料が15,000~50,000円となっています。
その後インプラント(人工歯根)を埋め込む手術代として10~40万円が必要となります。

人工歯根が埋め込まれたらオールセラミックなどの人工の歯を付けます。
この費用が10~15万円が一般的です。

インプラント治療では人工的に作られたものを使用するので5,000~10,000円のメンテナンスが必要となります。

インプラント治療に保険は使えるの?

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インプラント治療は自由診療なので基本的に健康保険等は適用できません

なぜならば健康保険などの保険診療は「全ての国民が“生きていくために必要な”医療を受けられるように」と作られた制度です。
国の財政にも限界があるので、最低限の治療のみ保険の適用が可能で、その他は自由診療として保険が効きません。

入れ歯は保険適用の治療と保険適用外の治療があります。

保険適用ができる入れ歯の場合、総入れ歯は素材は土台がレジン(樹脂)のものと限定されて10,000円~、部分入れ歯の場合は金属の留め具が付いたものに限定されて5,000円~になります。
入れ歯でも自由診療の場合は素材などを幅広く選択できます。

ブリッジにも保険適用の治療と保険適用外の治療があります。
保険適用条件は歯の場所や状態によって異なります。

ブリッジの治療において、保険適用の場合は約5万円が一般的、保険適用外の場合は45~50万円が一般的です。

インプラント治療の費用は医療費控除を適用できる

“機能的な問題を解決するための治療”にかかった費用は医療費として認められるため、インプラント治療は医療費控除が適用されます。

ただし入れ歯・ブリッジではなくインプラントを選択したのは美容目的ともなるため、医療費控除の範囲内にならないと判断する税務署も時々あります。
医療費控除の対象に対する決定権は税務署ごとにあるので、必ず管轄する税務署に事前相談をし、さらに治療をする歯科医に確認、相談しましょう。

医療費控除とはその年の1月1日から12月31日までを1年とした期間中に10万円以上の医療を支払った場合(年収200万円未満の場合は年収×5%)に一定金額の所得控除を受けることができる制度です。

所得税を納めている人は確定申告をすれば誰でも利用することができる制度です(サラリーマンでも年末調整とは別に個人で確定申告をする必要があります)。
医療費控除で申告できる医療費には通院に必要な交通費なども含まれます(公共交通機関のみ。マイカーでのガソリン代や駐車場は対象外)。

領収書が必ず必要なので、医療機関から発行される領収書や交通機関の領収書は大切に保管しておきましょう。

インプラント治療は手術が必要だから高い

インプラント治療は入れ歯やブリッジと異なりインプラントを埋め込む手術が必要になります。
ブリッジの治療費が高いのは素材が原因ですが、インプラントの場合はこの手術が原因です。

インプラントの手術では雑菌などが入らないように細心の注意を払われ、様々な使い捨ての手術用具が使われます。

これらの環境を整えて手術を行い、患者一人一人に対して手術用具を揃えて、手作業でインプラントを埋め込んでいくので他の歯科治療に比べてコストが必然的にかかってしまうのです。

インプラント治療費は医院によって違う

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インプラント治療の費用の価格差は10~100万円にもなります。インプラント治療は自由診療なので医院が設定できるためです。

この価格差はインプラントそのものの価格差から始まります。

インプラントに使われる材料によって3倍の開きがあります
そして手術を行う前に精密検査が行われますが、この術前のシミュレーションの精密さでも価格が大きく異なります。

診療や手術を行うスタッフの充実度、医師やスタッフ個人の熟練度によっても価格に大きな開きができます。
手術道具は基本的に使い捨てとなりますが、一定の器材は使い捨てしなくてもいいとされています。

どのレベルまで器材を使い捨てにするかも手術費用の差となります。

首都圏・都市部のインプラント治療が高いのは立地によります。
高度なインプラント治療技術を有し、患者が集まりやすいところにある医院のインプラント治療費は必然的に高くなるのは当然なのです。

インプラント治療のリスクは?

インプラント治療は自由診療なので医院ごとの設備のレベルに大きな差があります。
特に細菌感染を防ぐための器材の使い捨てのレベル設定によっては手術中に細菌感染してしまう恐れがあります。

インプラント治療は他の歯科の治療と異なり外科手術となります。
外科手術なので大きな血管を切ってしまって大量出血してしまったり、神経を傷つけてしまって唇に麻痺が残ってしまうなどのリスクがあります。

このようなリスクが発生しないように術前の精密検査が行われますが、絶対に安全な治療法とは断言することはできません

インプラント治療を安全に終えるためには?

インプラント治療での事故を防ぐためには術前の検査内容、医師の経験・熟練度、衛生管理、メンテナンス体制をチェックします。

また使用するインプラントについても説明を受けるとよいでしょう。
この際に安全性の目安となるのはシェアの高いメーカーのインプラントかどうかです。

検査内容としてはレントゲンでは分からない部分も撮影できるCT撮影をしているかどうか問診で既往歴・現病歴の有無・アレルギーの有無・現在服用中の薬について確認したかどうかが大切なチェックポイントとなります。

問診では分からない場合(患者自身に病気の自覚症状がない場合)もあるので血液検査をしているとより安心です。
医師の経験・熟練度は治療のメリットだけでなくデメリットもきちんと説明してくれるかどうか、悩みに対して複数の案を提示した上で解決に導いてくれるかなどがチェックポイントです。

また自分と似た症例の治療経験がある場合は当時の治療方法を症例写真などをもとに説明してもらいましょう。
この説明が医師のレベルを図るチェックポイントになります。

衛生管理としては手術で使用する器材が殺菌・滅菌されているか、器材は使い捨てなのか、手袋は使い捨てしているかなどがチェックポイントです。

インプラント治療は自分で選ぶ

インプラントは保険が効かないので、多くの場合かなり高額になります。また自由診療なので、病院によって安全性も異なってきます。
さらにインプラントの手術では、神経を傷つける可能性もあります。

神経が傷つけられると唇に麻痺が残るなどの後遺症になるケースもまれにあります。
インプラント治療においては病院や医師を患者側から判断することが大切です。

治療の流れや費用などご心配のことは一度、当院へご相談ください。