インプラント

インプラント1本の値段について

インプラント1本の値段は、幾らくらいかかるのでしょうか。
歯1本の治療ということで、今回はインプラント以外での歯1本の治療との費用を比べてご紹介をしたいと思います。

インプラントの相場は30~40万

詳細な費用につきましては省略させていただきますが、フィクチャー(とアバットメント)、人工歯冠の費用は、それぞれインプラント本数の分かかります。
しかし1本でも2本でも、検査の費用や手術の費用、メンテナンスの費用はそれほど変わりません
(抜歯の数が多い場合は静脈鎮静といった麻酔代がかかることがあります)

「1本だけだったら、別にインプラントでなくてもよいのでは?」
そうお考えになる患者様もいらっしゃいますが、1本だからこそインプラントを、と思わずにはいられません。

歯を失う理由は様々です。
抜歯をしたらどういった治療にするか、それについても様々な方法がございます。

「1本だけだから」と放置することは、お勧めできません

歯が抜けてしまいますと、骨の吸収が起こることは別項にて述べさせていただきました。
実は歯が抜けてしまいますと骨の吸収とは別に、両側の歯が空いたスペースに傾いてくるという事が起こります。

こうなりますと、まず噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪くなると、咀嚼がうまく出来なくなり、胃腸の具合が悪くなることがあります。

一見、噛み合わせとは全く関係ないようにも思えますが、実は頭痛や肩コリの原因にもなります。
最も悪いことは、歯と歯の隙間が広がったことで汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなるのです。

抜けた歯が1本か2本でしたら、「ブリッジ」という方法で歯が抜けた部分をカバーすることは出来ます。
ブリッジとは、抜けた歯の両隣にある歯を軸にして抜けた部分の歯を補う方法です。
自分の歯に固定されるので入れ歯とは違い、噛んだ時の感覚は自分の歯に近いものが得られます。

“二人三脚”という表現は少し違うかもしれませんが、両端の2本の歯に橋をかけるようにして繋がった3本分の人工歯を被せます。
ただし、ブリッジをする為には、虫歯でもない健康な歯を削る必要があります。

「歯を削る」というのは、支柱にするわけですから、リンゴで例えるなら芯だけにする感じに削ります。
歯の抜けた箇所は、何もありません。
噛んだ時に歯3本分にかかるの力は、両端の2本の歯で受け止めることになります。
しっかり支えなくてはなりませんから、ブリッジをする歯は健康な歯でなければ出来ません
失った歯が2本になると噛んだ時の力はさらに大きくかかりますので、例えば両端の歯を3本削って5本組のブリッジになります。

ブリッジは、両端の歯を削れば削るほどしっかりします

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歯の割合で示すと、4割~7割ほど削ります
大きく削らなくてはならない場合は、歯の神経を抜くこともあります。
歯から神経を抜いてしまうと、歯の色が悪くなったり、もろくなったりします。

また、虫歯や歯周病にかかりやすくもなります。
つまり歯が1本失ったことで、他の健康な歯までダメにするという悪い連鎖が起きる可能性があるのです。

ブリッジに近い歯科治療として「部分入れ歯」がありますが、こちらにも同じリスクがあります。
入れ歯は、歯が抜けた部分に人工歯と義歯庄(いわゆる入れ歯)を入れます。

こちらは健康な歯を削る必要はありませんが、入れ歯に付いている金属の留め金(バネ、クラスプ)を他の歯にかけます。
義歯庄があるので歯茎にも力はかかるのですが、物を噛んだ時にかかる力の多くは、そのバネをかけた歯にかかります。
その歯の負担が増えることとなり、歯周病にもかかりやすくなります。

部分入れ歯はブリッジとは違って外すことができますので清掃は容易ですが、取り外せるということはブリッジほどは強く噛めず、コツが必要です。

抜歯をしたら、どうするか

その後の選択は様々です。
ですが、「たった1本の歯が抜けたことが原因で、将来全ての歯を失うことになる」。
それは言い過ぎではありません。

「昔の歯医者さんは、すぐに歯を抜きたがる」というようなお話を聞いたことがあります。
今の歯科医院は、歯をできるだけ削らない、できるだけ抜かないことが基本になっています。

それはつまり、むやみに歯を抜いてしまうと、そこから次々に歯を抜くことになるからです。
ですから歯を抜くのはやむを得ない時、例えば、歯根破折(歯の根が割れてしまった時)などの場合です。

削らないブリッジとして、当院には「ルミブリッジ」という治療方法もあります。
これは、削らない審美治療をブルミネアーズリッジに応用したものです。
こちらですと、ほとんど歯を削らずにブリッジを入れることができます。

しかし、このルミブリッジも選択肢のうちの一つですが、1本の費用で考えた場合、40万くらいかかってしまうことがあります。
となりますと、インプラントでもルミブリッジでも、費用の差はそれほど変わりません。
ルミブリッジの他にも、接着ブリッジといったものもありますが、いずれにしても自費診療です。

インプラント1本の値段は決して高いものではない

入れ歯にしろブリッジにしろ、保険治療で安く出来るということは、とても重要な選択の一つであり、これが無くてはなりません。
しかし、できればその選択肢の中に「インプラント」をいう選択も、ぜひ残しておいて欲しいのです。
歯1本を治療する値段としてみれば、インプラントは自費診療ですから、ブリッジや部分入れ歯と比べてしまえば、とても高いように感じます。

ですが、インプラントは他の健康な歯に負担をかけることはありません。
定期的にメンテナンスもありますから、虫歯や歯周病の定期検診も同時に受けることにもなります。

1本の歯を失ったけれど、それ以上は歯を失わなくて済む。
そう思えば、インプラント1本の値段は決して高いものではないと感じるはずです。