インプラント

インプラントの費用の相場について

日本国内で行われている平均的なインプラントの費用の相場について

1本あたり30~40万といったところではないでしょうか。

これは、手術代や材料費、噛み合わせの調整料といった総費用の相場です。
医科歯科大といった大手ですと45万ほど、一般的な歯科医院でも30万以上が相場となっています。
この相場のインプラントでしたら、優れた品質のインプラント治療を受けることができるでしょう。

相場を大幅に下回るインプラントもあります。

しかし、そういった「格安インプラント」の多くは、1ピースインプラントだと思われます。
1ピースインプラントは1回法といって、1回の手術で終わるなど患者様にとっては好印象ですが問題もあります。
ピース(部品)がフィクチャーのみとなっているため、骨にしっかりとした厚みがないと行えません

また、前歯のインプラント向きではありません。
フィクチャーとアバットメントの2つの部品からなる2ピースインプラントは、1回目の手術の後に3~6ヶ月(当院では8ヶ月お時間をいただくことがあります)ほど期間を設けます。

これは、しっかり骨とインプラントが定着するためです。
定着を確認したのち、最終的な本歯(セラミックなどの人工歯冠)を装着します。
お時間は少しいただきますが、最終的には長持ちする方が良いと考えています。

時間がかかるということはコストもかかりますので、格安インプラントでは2ピースインプラントは難しいように思われます。
もちろん、患者様の骨量がしっかりしているのでれば、当院でも1ピースインプラントのご用意をしています。
1ピースインプラントは悪いインプラント、必ず2ピースインプラントでなければならない、ということではありません。

どのようにしてインプラントの費用(コスト)を抑えたらよいのか

それぞれの歯科医院によって、どのような対策が成されているか差がございますし、ここでは何とも申し上げにくいことですが‥‥。

一例を挙げるとしましたら、それは「インプラントそのものの価格」を抑えることではないでしょうか。
インプラントの費用は、インプラントメーカーによっても左右されます。

現在日本国内で流通しているインプラントメーカーは50社、海外のメーカーまで含めますと200社とも言われています。
これだけの数になりますと、全てのインプラントメーカーの特徴を把握するのは、歯科医であっても容易なことではありません。

価格が安いメーカーでも、機能的にしっかりとしたもの(早期に骨に定着する、壊れにくいなど)を探すことができれば、それでも構いません。
しかし、インプラントメーカーは毎年のように吸収合併されたり、倒産をすることもしばしばあります。

そのようなメーカーのインプラントですと、万が一の際、部品の調達が出来ないなどの不具合が出る恐れが生じるのです。
ですから、自然と確立されたメーカーのインプラントを、ということになります。

他でもご紹介させていただきましたが、当院で取り扱っているインプラントは、こうしたことを踏まえまして信頼のおけるインプラントのみを使用しております。
また、患者様の状態やご要望によって、使い分けもしています。

Nobel Biocare社(ブローネンマルクシステム/ノーベルリプレイス/ノーベルアクティブ)は、世界的にも確立された一流メーカー

Astra Tech社(アストラティックシステム)は、前歯など審美領域で主に使用しており、長期的な安定性に定評があります

Biomet 3i社は、歯周炎に強く、世界的にみて最も進んだシステムの1つです。骨が柔らかい症例などに使用しています

詳しくはこちらをご覧ください。

インプラントと聞いて真っ先に思い浮かべることは「治療費が高い」ということ

ですから、できるだけ安いインプラントメーカーで、というご要望はごもっともの事かと思います。
しかし、将来、患者様ご自身のお身体の一部となります大事なインプラントです。
安さでインプラントメーカーを選ぶよりも、材料や実績といった信頼性を重視すべきだと考えています。

以上は、インプラントメーカー、つまりフィクチャーとアバットメントといったインプラント下部構造につきましてお話をさせていただきました。

インプラントにはこの他にセラミック冠といったインプラント上部構造である補綴物があります。

この補綴物は、材質によってインプラントの費用が左右されます。
当院ですと、銀パラジウム、メタルボンド、ジルコニア、トップセラミックなどがあります。
数万円から20万円前後と、費用の隔たりが生じます。

患者様ご自身の歯の代わりとなります“本歯”ですので、本来ですと、こちらも疎かにはできません。

この補綴物(人工歯冠)につきましては、外注にすると、それだけ費用も時間もかかります。
当院でもこれまでのオールセラミックは、歯型を取ってドイツに送っていました。
例えば、これがセラミック内冠の場合ですと、出来あがるまでに2週間を要し、費用は1本15万円ほどかかっていました。

これにつきましては、歯科治療用のCAD/CAM「セレック(CEREC 3D)」を導入しました。
他の項目でもご紹介させていただきましたので簡略いたしますが、費用は6万円ほどで出来ますので従来の1/3に抑えることができます。

また、少しでも型が合わなければ、すぐにその場で微調整することもできます。
このように、自前でセラミック冠の作成ができてしまえば、他に発注する必要がなくなり、それだけ費用の削減が可能です。

インプラント治療に入る前には、精密な検査は欠かせません。
人工歯冠の作成だけでなく、CTを初めとした検査設備なども自前で整えることができれば、ここでも費用の削減ができます。

コストを抑えることは悪いことでありませんが、手術や検査は決して軽んじてはならないことです。
精密な検査が行えるよう最新機器の導入、手術を安心安全に行えますよう設備投資、それらを惜しんではならないと確信しています。

可能な限り価格を抑えられるような取り組みをする一方で、部品の調達や品質、安全性を損なわないようにしなければなりません。
インプラントの費用は、安くなれば安くなるほど良いといったものではありません。
“安かろう悪かろう”であってはならないのです。

都心に近い歯科医院ですと、インプラント費用も割高になってしまう傾向があります。
当院は、新橋・赤坂に居を構えています。
手前味噌になってしまいますが、患者様のご負担が少しでも軽減されますよう常に勉強をさせていただいています。

インプラント治療にはどのくらいかかるのか

この「インプラントの費用」につきましては、歯科医院によって異なります。

インプラント1本の費用を安くうたっていても、検査診断料や手術にかかる諸費用を省いた価格表示の場合もあります。
中には、フィクチャー(埋入するネジ)1本の価格を表示している歯科医院もあるようです。

全てのインプラント治療でどのくらいかかるのか、カウンセリングにて詳細事項のご確認は必ずなさってください。