矯正歯科

矯正にかかる治療期間の平均はどのくらい?

歯列矯正は歯科医院でできる代表的な治療の一つです。
歯列が乱れていると歯の磨耗が早くなり、あごの変形や痛み、顔の歪みなどに繋がってしまうことがあります。

また、額関節症の原因になることもありますし、歯列が乱れている箇所に食べ物が挟まったりすることにより虫歯になったり、歯肉炎になったりすることもあります。

歯列の乱れは口とあごの多くのトラブルに関係する重要な問題です。

子供、大人問わず歯並びが乱れていた場合、可能な限り早期の治療が望ましいといえます。
しかし、歯列矯正治療において多くの方が心配するのは「治療期間」の問題です。

歯列の矯正は基本的に一日で治療することが難しいのです。
歯列矯正用の器具などを用いながら少しずつ理想の歯並びへと矯正してゆくことになります。

皆さんの中にも「歯列矯正は時間がかかる治療」という印象があるのではないでしょうか。

歯列矯正治療にもいくつかの種類があります。
中にはごく短期間でできる歯列矯正の治療もあります

歯列矯正に使える治療を挙げながら、各治療にかかる期間についてお話しします。
治療は費用面や自分の口腔内の状況で考えることも重要ですが、治療法を決める際に治療期間についても参考にすることが重要です。

歯列矯正治療にはどんなものがあるの?

歯列矯正に使える治療には次のような治療があります。

1、ラミネートベニア
2、ルミネアーズ
3、インプラント
4、ブラケット治療
5、マウスピース治療

これらの治療法は歯列の状況ならびに、歯列矯正において審美面に絨毯をおくか等の患者様それぞれの要望を確認して歯科医師と一緒に決めることになります。

ただ、全ての人がどれでも好きな矯正方法を選択することができるわけではありません
歯列の乱れが強度の場合は、マウスピース治療やルミネアーズ、ラミネートベニアなどは選択できない場合があります。

過去の歯科治療歴によっても選択できない歯列矯正の方法がありますので、口腔内を歯科医師に確認してもらいよく話し合って最適な方法を選択することが大切です。

場合によっては治療法を併用することもあります。

歯列矯正治療の内容と治療期間

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具体的に「それぞれの治療法はどんなもの」で「どれくらいの治療期間」が必要になるのでしょうか。
歯列治療法によってかなり期間が異なります。

ラミネートベニアによる矯正と治療期間

歯列そのものを動かして治療する方法ではなく、歯にネイルのようなチップを貼り付けることにより歯並びを改善する方法です。

チップは厚さ0.8~2ミリくらいで、歯に貼り付ける際は歯に合わせて色を調節することもできます。
歯並びのせいで歯と歯の間に隙間がある等の場合に有効な治療法です。

ただし、歯列がかなり乱れている場合や過去に虫歯などの治療をした痕がある場合などは使えないことがあります。
加えて、治療の際に歯の表面を削らなければならないという欠点もあります。

歯並びだけでなく歯の色も改善したい方にお勧めの方法です。

治療期間は事前の相談や検査も合わせ合計で数日程度です。
口腔内の状況やラミネートベニア治療を行う本数によって、もっと日数がかかることもあります。

ルミネアーズによる矯正と治療期間

ルミネアーズはラミネートベニアの進化系ともいえる治療方法です。
ラミネートベニアが0.8~2ミリのチップを貼り付ける治療であることに対し、このルミネアーズはコンタクトレンズよりも薄い0.1~0.5ミリの膜のようなものを貼り付けます。

ラミネートベニアと同じく隙っ歯などの歯並び改善に有効な方法で、色も調節できることから歯並びと同時に歯の着色も改善できる治療方法です。

ルミネアーズはラミネートベニアの進化系です。
ラミネートベニアでは虫歯治療の痕などがあると治療できない場合がありましたが、ルミネアーズでは治療が可能です。

また、ラミネートベニアのように歯を削る必要もありません。

歯列がかなり乱れている場合は使えませんが、審美面に重点を置いて隙っ歯などをスピーディに改善できる最新の治療法の一つです。
治療期間は最短で2日となります。

インプラントによる矯正と治療期間

インプラントとは、歯茎に人工的な歯根を埋め込みその上に人工永久歯を生成する治療法です。

入れ歯に代わる治療法として多くの方が利用する治療法である他、最初から永久歯がなかった方、事故や虫歯、加齢で歯を失った方への有効な治療法としても知られています。

人工歯を自分の歯のように使うための治療が、どうして歯列矯正のための治療になるのかと首を傾げる方もいらっしゃることでしょう。
歯列の中に抜けた歯があると、上手く歯列矯正ができない場合があります。

空間があるために歯列がずれてしまうのです。
また、歯列自体は整っているのに一本だけ歯が抜けている状態であった場合、一本を補うことにより美しい歯列を再生させることが可能です。

ダメージを受けている歯や曲がって生えている歯をインプラントに取り替えることによって歯列を整える場合もあります。

インプラント治療では、その方に合った人工歯を生成することにより総合的に歯列を整えることができます。

治療期間は数ヶ月から半年になります。
ただしワンデイインプラントの場合は基本的に手術が一度で済みますので、もっと早く治療が終わることがあります。

ただし、あごの骨が薄かったり、インプラントに換える歯の本数が多かったりする場合は先に特殊治療を行うことがあるため、治療期間が年単位になることもあります。

ブラケット治療による矯正と治療期間

歯にブラケット(ワイヤー器具)を装着することによって歯列矯正をする方法です。

ブラケット治療は上下の歯並びが極端に悪い場合も使うことのできる治療法です。
最も一般的な歯列矯正法ではないでしょうか。

ブラケットは歯の表ないしは裏に装着します。
表に装着するのか裏に装着するのかによって、治療期間が変わってきます。

表の方が一般的に治療終了までの期間が短く、1~3年となります。裏側の場合は1~4年の治療期間が目安です。
歯列の一部を矯正する場合は1年くらいの治療期間が目安になります。

ブラケットの中には透明なものもあります。
透明なブラケットを選択しても治療期間は特に変わりません。

マウスピース治療による矯正と治療期間

マウスピースによる歯列矯正治療とは、マウスピースを作成し装着することによって歯列を整える治療法です。

マウスピースは常に装着しているわけではありませんので、自分の生活スタイルに合わせて歯列の矯正を進めることができます。
ブラケット治療のように外でも装着している必要はありませんので、ワイヤーを装着した時の見た目が気になって歯列矯正に踏み出せないという方でも安心して受けていただける治療です。

マウスピースによる歯列矯正治療に必要な期間は約2年です。
検査をしてからマウスピースを作成し、歯を緩やかに2週間動かし、さらに歯を2週間しっかり動かします。

これを何度か繰り返すことになります。
何度か繰り返した後に、リテーナーという歯の後戻りを防ぐ装置を1年ほど装着することになります。

最後に

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歯列矯正にはいくつかの方法があります。

矯正治療ごとに患者様の歯列の状態でも使えるかが変わっていますし、治療に必要な期間も変わってきます。
中には治療期間中は特定の器具を使うものがありますので、飲食がし難いなど私生活に影響が出ることも考えられます。

どのくらいの期間治療にかかるのかを知っておくことは日常生活をする上でも大切なことです。

まずは口腔内の検診を受け、状態に合った治療法を探してください。

歯列に関する悩み事は、経験豊かな歯科医師が皆様とよく話し合いながら解決いたします。