クリアアライナーとは、透明なマウスピースを歯にかぶせて歯を動かしていく矯正装置です。八重歯を抜かなければならないケース、歯が極端に出ているケース、著しい乱ぐい歯(歯が生える位置がバラバラで歯並びがでこぼこになった状態。あごに対して歯が生える場所が足りなくなることで起こる)など、ふつうの矯正でも難しいようなケースには対応できませんが、それ以外であれば矯正は十分、可能です。また、インプラントや入れ歯を施す前処置としても最適です。
こんな人に向いています!!
実際の症例写真です。
上の前歯の隙間が開いているのを、クリアアライナーで矯正し、隙間を埋めています。
上の前歯が外側に向いてしまっています。それをクリアアライナーでまっすぐに治しています。
上のフローがクリアアライナーの矯正の一般的な流れになります。患者さんのライフスタイル、歯の動き方の状態などによって、若干、期間が変わることもあります。
【検査】
レントゲンで歯周病や虫歯のチェックをします。必要なら虫歯治療や歯石除去などを行い、その後で歯形を取ります。この歯形をもとにクリアアライナーが作られますが、完成するまで2週間かかるので、その間は待つことになります。
【ソフト装着】
2週間後に完成したクリアアライナーを取りに来てもらいます(ケースにはソフトタイプ・ハードタイプが入っています)。そこでまずソフトタイプのクリアアライナーを装着、歯をゆるやかに動かしていきます。装着は2週間続けます。
【ハード装着】
2週間後、ハードタイプのクリアアライナーに変え、歯をしっかりと動かしていきます。3~4週間、装着をします。
【チェック】
ハードタイプのクリアアライナーを付けてから1週間後に、新しく歯型を取るためと、歯の動き具合をチェックするため、診察を受けます。また、2週間後に新しいクリアアライナーができあがるので、それを受け取りに来てもらいます。
※この【ソフト装着】~【チェック】の行程(ステージと言います)を3、4回繰り返します。【リテーナー装着】矯正が終了したら、「後戻り」しないように、リテーナー(保定装置)という専用の装置を1年ほど付けてもらいます。
事前に取った歯形をもとに、歯を少し動かした状態の模型を作成。模型に合わせて、マウスピースを作り、それを装着することで少しずつ歯を動かしていきます。写真は、内側を向いている前歯(○をした部分)を、正面を向いた状態に矯正していく過程です。
クリアライナー(装置代) | 30~50万円(片側) |
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チェック料 ※ | 5000円/回 |
リテーナー代 | 1万円(片顎) |
※歯周病・虫歯の治療は除く |
従来は、「ブラケット」と呼ばれる歯の表面に付け、ワイヤーで締めていく方法が取られていました。今も八重歯や乱ぐい歯(歯が生える位置がバラバラで歯並びがでこぼこになった状態。あごに対して歯が生える場所が足りなくなることで起こる)や反対咬合(下の歯が上の歯より前に出た状態。うけ口)などの方では、こちらの方法のほうが適しているといえます。
ただ最近は、ブラケットの性能も良くなり、小さく、薄くなっていますし、「いかにも矯正をしている」感じの受けるシルバーのメタルやチタンだけでなく、目立たちにくいセラミックやハイブリッドセラミック、プラスチックなどの素材を使ったブラケットも登場し、さりげなく矯正をすることもできるようになりました。ちなみに、写真はポリオキシメチレンという特殊な樹脂を用いたブラケットです。
こんな人に向いています!!