矯正歯科

歯並びを治すための治療方法5選

歯は人の印象に大きな影響を与える部位です。
にこりと笑った時に唇の間から白くて綺麗な歯が見えればそれだけ好印象を持たれやすく、芸能人や政治家などの大衆の印象が関わる仕事の人は特に歯の審美に気をつける傾向があります。

しかし、歯の美しさは白さだけで決まるものではありません。

もう一つ重要な歯の審美面の問題として「歯並び」があります。
いかに白く美しい歯であっても、歯並びが不揃いでは、歯が白く美しいだけに「歯並びが非常に残念」という印象を持たれてしまうかもしれません。

白さだけでなく歯並びは一緒に改善すべき大切な口の問題なのです。
また、歯並びは審美だけでなく健康にも影響する大切な問題です。

歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪いと食べ物を上手くかみ砕くことができず、喉が詰まってしまったり、消化の際に胃に負担をかけてしまったりすることがあります。

食べ物が細かくならないと歯に引っかかってしまうことも多くなる他、不規則な歯並びのせいで歯の隙間に汚れが溜まり虫歯や歯肉炎に繋がる可能性もあります。
噛み合わせが悪いとあごの骨にも負担がかかってしまうため、頭痛や肩こり、額関節症などの症状が出ることもあります。

歯並びは「審美」と「健康」のどちらにも関わることなのです。

歯並びのお悩みは虫歯などの他の口腔内のトラブルと同様に、早めに改善することが望ましいと言えます。
しかし、改善するといっても一体どんな治療法があるのでしょうか。

今回は歯並びを改善するために治療法を5つご紹介します。

歯並び治療は歯列の状態に合わせて選択することが重要

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歯並びの治療は、どの治療法を選択しても必ず有効というわけではありません
なぜなら、人によって歯並びの状況が大きく異なってくるからです。

例えば軽度の歯並びの乱れを治療するために、マウスピース治療を選択したとします。
歯科医師が口腔内を確認し、確かにこの状況であればマウスピース治療が有効であると判断しました。

しかし、人の口腔内の状況は一人一人でまったく異なっているのが難しいところです。
ある人にとってはマウスピースによる治療が有効であっても、歯の状況によってはマウスピースの治療では改善が難しいこともあるのです。

例えば歯並びを改善する前提で、重度の虫歯を先に治療しなければならない場合に抜歯を伴うことがあります。

歯並びを整えたいのならなるべく歯をすべてそろえてから歯並びの強制を行うことが望ましいため、先にインプラントで人工的な永久歯を作ってからということがあります。

このように、口腔内の状況によってはいきなり歯列矯正をせず別の治療法をした方がよい場合があります。
また、歯並びがかなり乱れている場合には、マウスピースではなくワイヤーを使って歯列を矯正する方法の方が望ましいこともあります。

歯列を整える治療はいくつかありますが、最終的に口腔内をチェックしてから、状況と患者様の要望を伺って歯科医師と患者様が一緒に治療方法を考えてゆくことになります。

歯並びの5つの治療方法とは

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では、ここからは、具体的に歯列を治療する方法についてお話しましょう。

歯列矯正には「ブラケットによる矯正治療」「マウスピースによる矯正治療」「インプラントによる治療」「ルミネアーズによる治療」「抜歯などによる治療」という5つの方法があります。

ブラケットによる矯正治療

ブラケット治療とはワイヤーによる治療を指します。
おそらく世間一般の方が歯列矯正と言われて真っ先に想像する治療が、このブラケット治療ではないでしょうか。

歯列に銀色のワイヤーをつけた方を目にした時「歯列矯正中なのかな」と思うはずです。
まさにそれがこのブラケットによる矯正治療なのです。

歯列矯正の中では最も有名な治療法かもしれません。
このブラケットによる矯正治療は、歯列に添う形で銀色のワイヤー器具を張り、少しずつ歯列の位置を整えてゆく治療です。

軽度の歯並びの乱れを矯正する場合も、かなり乱れた歯並びを矯正する場合も使える万能型の歯列矯正治療です。
現在は銀色のワイヤーだと審美面で気になるという方のために、透明なワイヤーで治療を進めることも可能です。

マウスピースによる治療

ワイヤー器具ではなくその人に合ったマウスピースを作成し、マウスピースを装着することによって少しずつ歯並びを矯正する方法です。

この方法の優れたところは、マウスピースを常に装着している必要がないというところです。
ブラケット治療では常にワイヤー器具がつけっぱなしになりますが、マウスピースの場合は家にいる短時間だけ装着することで矯正を進めます。

歯列矯正中だと知られたくない方や、ずっと口の中に器具を入れっぱなしにすることに抵抗のある方でも抵抗なく歯列矯正をすることができます。

インプラントによる治療

インプラント治療とは、人工的な歯の根を歯茎に埋め込み、その上に人工永久歯を生成する技術です。
加齢や事故、虫歯などの歯のトラブルで歯を失った人が利用する治療法として知られています。

別に歯を失ったわけではなく歯並びの矯正をしたいのに、どうしてインプラントの話が出てくるのか不思議に思われるかもしれません。
実はこのインプラントも歯列矯正には有効な治療法です。

歯を失った状態だと、噛み合わせに不具合が出ますので少しずつ歯並びが乱れてきます。
歯並びのよくない状態で歯を失うと、さらに歯並びが乱れる原因になります。

重度の虫歯や歯の亀裂が生じている状態でも、その歯を無意識にかばってしまうことにより歯並びに乱れが生じることがあります。
そんな時はインプラント治療により足りない歯を補ったり、トラブルの起きている歯を人工的に生成したりすることにより総合的に歯並び改善に繋げることができます。

ルミネアーズによる治療

ルミネアーズとは、歯の表面に極めて薄い膜を貼りつける治療法のことをいいます。
膜を貼りつけることにより歯の着色や虫歯予防、歯列を整える効果があります。

しかも、一度貼り付けると25年以上持つという結果が出ています。
このルミネアーズでは審美と予防に重点を置いた、歯列の乱れを治療することが可能です。

ただし歯の表面に膜を貼るという特性上、歯列が極端に乱れている場合や永久歯を失っている場合は使えない可能性があります

抜歯などによる治療

歯列の治療をしたいのに、どうして抜歯をするのか疑問に思うかもしれません。

しかし、時に抜歯などの治療法が歯列矯正に効果があると判断されるケースがあるのです。
例えば奥歯のさらに奥に親知らず歯が変にはえてしまった場合。

こんな場合は徐々に歯列が乱れることが考えられるため、抜歯が望ましいです。

また、口腔の大きさに対し歯が大きな場合があります。
口の小さな方に一本一本がとても大きな歯が生えてしまうと、歯列に収まりきらなかった歯が押し出されるようになってしまうことがあります。

このような場合は抜歯などを行うことにより、歯列を整えることも可能です。

最後に

歯並びの治療に使える5つの方法をご紹介しました。

歯並びは審美にも関わりますが、健康にも大きく関わってきます。
人間が生きる上で欠かせない食は口を通して行うからこそ、人間の健康の基礎となるのが口の中の状況であり、歯の健康なのです。

口腔内の状況によっては、他にも選択できる治療法があります。
まずはご相談ください。当院の歯科医師が、皆様の歯をチェックして治療法をご提案いたします。